タッチについて

「色々なタッチがありますね。」とポートフォリオを見た方からよく言われます。はい、、、私もそう思います。

これぞ私、というオリジナルのタッチを見つけるべし、とは一般的によく言われますし、自分でもそうあるべく長年努力してきたのですが、やっぱりちょっと無理っぽい、、、かも。。というのが今の私の考えです。元々非常に飽きっぽくて色々な画材や描き方を試したくなるし、自分のタッチを決めるよりもご依頼頂いた媒体に合うように描かせていただく方が自分には向いている様に思います。イラストレーターになる前、デザイン事務所に勤務していた事も関係あるのかもしれません。自分の好みやこだわりは一旦置いておいて、その仕事に一番あうテイストを考えるように上司によく言われていました。ただ、媒体に合うように描くという事は、すでにこの世にあるイメージをトレースすることでもあり、オリジナリティーが二の次になってしまう危うさもありますのでここは結構悩み所です。

そうは言っても描いているのは私ひとり。タッチや画材が変わっても共通するものがあればいいなと思っています。以前作品を見てくださったデザイナーさんに、明るさやデザイン性に一貫したものがあるからタッチの違いは気にしなくても大丈夫では?と言って頂いたことがあり、その言葉を信じて生きております。

と、以上の事は私の内面で起こっていることで、ご依頼いただく方にはあまり関係のないことかもしれません。なるべくご依頼いただくときにわかりやすいように、参考になればと思い、自分のタッチをいくつかに(5種類!)分類してみます。タッチと言うより画材の違いという感じですね。

ご提出は全てのタッチでデータでお渡ししております。

1【水彩画ベース】

透明水彩を使って描き、スキャンしてデータ化、補正や細かいラインなどをprocretateで足して仕上げる描き方です。「多くのお仕事」はこの方法で描いています。(上の画像もこちらに含まれます)

2【Ink(線画) & 水彩】

金属製のペン先にインクをつけて線画を描き、そこに水彩で色をつけています。「ノスタルジック&アンティーク調」と自分で位置付けています(笑)「福砂屋」、「雑誌UOMO」、「UNIQLO」、「映画ムーンライト」、など歴史や文学、上質な感じを表現するのに向いています。

3【線画】

カラーもモノクロも、はっきりと見やすく雑誌の挿絵などに多くご依頼いただきます。POPな感じも出しやすく、特に「FANTASTICA MANIA」のお仕事は皆様から長くご好評をいただいております。

4【色鉛筆】

最近はあまり使用していませんが、イラストレーターとして初めて描き始めた時に使用していたのが色鉛筆です。サラッとスケッチ風に描いたり、細かく重ねて絵画の様にも出来て楽しい画材です。「日本薬師堂「元気のわ」、「EPOS CARD NEWS」の表紙シリーズは色鉛筆でご依頼いただきました。

5【デジタル水彩画】

水彩画の様に見えますが全てデジタルで仕上げております。「日本総合住生活(UR団地)2022 カレンダー

私自身はどのタッチも大好きで、全力で全タッチをおすすめしております!

ご依頼時に予めご希望のタッチがあればお伝えいただければスムーズですし、ご相談しながらタッチを決めていくことも可能です。どうぞ宜しくお願いいたします。